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2006年12月 8日 (金)

研究者の役割

世の中のひとびとが様々なはたらきをすることで社会は成り立っています。どんなピースが欠けてもなりません。はたらくひと一人一人の重要度に差はありません。ただし役割の差はあります。
「夢や希望や感動」を与えることが出来る職業とはなんでしょうか。まず思い浮かぶのはプロ選手です。野球をかじったことがある人は特によく分かると思いますが、彼らのプレーは真似できないもので、観る人を魅せることができます。
無論、ものすごい数の競技人口を持つ野球やサッカーでプロ選手になることは難しいのですが、小さい子供の「将来の夢」アンケートで「プロの選手になる!」という希望は常に上位に入ります。「夢や希望や感動」を与えることの素晴しさは、ほかのひとを物質的にではなく精神的に豊かにできることに他なりません。
ここで疑問なのは、将来的に研究者に成りたいとの願望を持つ自分のことです。研究者というのは「革新的な発明をドンドンする」なんてものではありません。基本的に当たらないところの住人です。そもそも研究内容自体、個々の知的好奇心の充足のためのもので、世のため人のためになる結果が出るのは、その副産物に過ぎない場合が多いかもしれません。
ぼくももちろん、好奇心が原動力となるでしょうが、同時に最近、「夢や希望や感動」をほかのひとに与えることのできる研究者になりたいと思うのです。そのための方策はまだ年端も行かぬ学部生の自分にはまだわかりませんし、研究が自分独りで行えるものでも無いということは承知しています。でも、何らかの形で広く「夢や希望や感動」を与えられる立場にありたいと願うわけです。

研究者であるのに「夢や希望や感動」を与えることができている例があります。「はやぶさ(MUSES-C)」のプロジェクトとその研究者たちです。日本の宇宙開発は決して優遇されているわけではありませんが、彼らは少ない予算と打ち上げ機の能力限界の枠の中で持てる力を存分に発揮し、地球から数百万キロ離れた小惑星へ「はやぶさ」を送り込み、世界初のサンプルリターンまで行おうとしています。もしサンプルリターンに成功したとしても、彼らと「はやぶさ」の成果がすぐにぼくたちの生活に物質的に役立つことはないでしょう。しかしながら、わが国のロケットが飛ばした人工衛星が虚空を駆け抜け、遠い星の土を持って帰ってこようとしている。そのことを思い馳せるだけでなんと勇気のわくことでしょうか。近年、日本の宇宙開発はH2の連続失敗をはじめとして、暗いニュースが多くみうけられます。「気象大国」と自認するわが国の「ひまわり」が耐用年数を経過し、使用が困難になったことも火星探査機「のぞみ」が交信途絶したこともありました。技術立国日本の技術の崩壊の象徴とまでされたものです。でも「はやぶさ」は違いました。おれたちの国の技術力はまだやれるぞ!と思わせてくれました。
MUSESの名に表れるようにこの「はやぶさ」は工学試験機でしかありません。いつの間にかサンプルリターンが主目的だったかのようにすりかわっていますが、実際には新しい技術の試験とその成熟を期待した機体です。実際問題として、「はやぶさ」が帰還できるかは不透明です。「はやぶさ」で得た経験と知識を糧に、「はやぶさ2」では必ずミッションを完遂してくれるものと期待しています。

そのためにはまずは「はやぶさ2」に予算がつくことが必須です。
研究職志望のものとして一刻も早い「はやぶさ2」の予算承認を強くお願いするとともに、日本の宇宙開発の一層の発展を願っています。

                         偽ドアラ やんばるくいな
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というメールを送ってみた。
「はやぶさ2」の予算がついたものと勘違いしていたら、どうも「つかなさそうでヤバイ」ということらしいと松浦晋也氏のブログを読んで気付いた。
 松浦晋也のL/D http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/
目前の研究課題を処理するのも大事だが、夢をみんなで一緒に見ることも大事ではなかろうか。「のぞみ」の火星への旅を描いた松浦晋也氏の著書『恐るべき旅路』は必読。夢を「のぞみ」に乗せたひとたちの無念を想うと涙無しに読めない。
最終的には予算は認められ、「はやぶさ2」はPLANETの称号をもつ機体として成果を残してくれるはずと半ば楽観的に期待。

本日は大腸菌が作ったタンパクの濃度を測定してみるも、なんか薄い
これじゃ免疫用には使えねぇ、ということでもう一度大腸菌に作らせる予定。

2006年12月8日 26:21

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受信: 2006年12月13日 (水) 13時54分

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